上海の旅まとめ。総評!

今回、2泊3日というスケジュールで行ってきた「上海」。
少しその総まとめを書いてみたいと思う。

「上海はどうだった?」と聞かれ一言で言い表すのであれば「ヤバイ」である。
これは良い意味でも「ヤバイ」だし、悪い意味でも「ヤバイ」である。

昭和44年生まれの俺は、当然戦後間もない日本の高度経済成長を知るはずもないのだが、今回の上海を見て、その当時が容易に想像出来たと行ってもまんざら外しては居ないだろうと感じる。

テレビメディア等で「貧困の差が激しい」とか「食の安全性」等々、日本に居てみていると「へ〜〜そうなんや〜〜」とか言いつつも疑心暗鬼でそのニュースを見ていたりする。

しかし、実際の上海、大きく言えば「中国」を直に体感してみると「それがまんざら嘘でもない」というか、「あ〜〜なんかわかる」とかなりリアルに感じる事が出来る。

おそらく観光などのツアーでは、ある意味そういった物を感じることは少ないのだろうが、今回の上海視察に関しては、ある程度自由度が高く(かなりかな(爆))、そういう意味では表向きの上海ではなく、リアルに近い上海を感じることが出来た。

上海の物価は日本と比較した場合、非常に安い。その最たる物が「タクシー」である。20分ほどの距離を乗っても、日本円で¥300位なのだ。
そして、食べ物。
下の写真は、とある「一般的な庶民」のレストランの表に掲げてあったメニューの料金表。

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今回の換金レートが1元が14.5円くらいだったので、このメニューに載っている一番高い物でも¥203。
すなわち¥100〜¥200程度で1食が済んでしまう。

しかし、このクラスのレストランで日本人が食事をするとお腹を下すことは必至だろう。
厳密にはこのクラスのレストランはまだ中級か、中の下くらいのクラス。

今回、通訳件アテンドをしてくれた上海生まれ、上海育ちの「羅」さん曰く「私は絶対にこの店では食べない」と言っていた。
色々話を聞くと、どうやら、日本でも報道をされている「油」がかなりヤバイらしい。
一度レストランなどで使い「廃油」として捨てられた油を色々な店から、回収しそれをゴチャ混ぜで、ろ過し、見た目だけ綺麗にした上で、安い値段で売られている。しかし、実際のそのクオリティーは「工業用油」のレベルでしかない。
当然油を沢山使う中華料理は、少しでも安い物が入手できれば、それだけ値段を下げたり、経費を抑えたり出来るわけだ。
言うまでもなく、健康上非常に問題になる。

しかしだ、かといってこの値段でしか食事を出来ない人達が居るのも事実。さらには、この値段でも食事を出来ない人達もいる。

今回の旅行中に食事をしたレストランは、この値段から比べると数段上の値段を付けるクラスのお店。
最終日に食べた北京ダックの有名店「全聚徳」だと、ダック1羽が160元位。
他の1品でも最低でも30元〜60元くらいのレストラン。
こういった店で、目に付くのが、若いウエイターやウエイトレス達。
しかも結構な人数が働いている。とあるレストランで我々のテーブルでサーブをしてくれたウェイターの子に、月給を聞いてみたらなんとまあ、2000元を切るらしい。日本円で¥25000位。
これ言っておくけど月給ね。しかもほぼ毎日働いての値段….。
ここから、居住費、飲食等々の生活費を出している。
こういう子達の多くというか殆どが「農村部」と呼ばれる「地方出身者」でいわゆる出稼ぎ労働なのだ。
長男や長女であれば、この給料から実家に、送金をしているらしく、ホント毎日死にものぐるいで働いている。
食事はまかないが付くだろうから殆どかからないとしても、居住費などを考えると、どのようなところで生活をしているのか容易に想像できるだろう。
こういった貧困層がある種、今の中国経済を底で支えている。

この子達が単純に「可愛そう」という意味ではなく、またそういう風に見るのは間違いでもある。
彼らには彼らなりの「生活」があると言う事実を知ることが大切で、経済大国中国がこういった労働力に支えられた上で形成されているという事実だ。

アメリカに長く住んでいた俺としては、ある種ビックリはしない。実際の所、アメリカも同じだからだ。
必ずレストランの中には「スパニッシュ」の労働力が入っている。彼らは最低労働賃金以下の給料で働き、住むところは、狭くて安いアパートに10人近い共同生活をしている。
そこまで切り詰めた生活をしてでも、稼いだ給料は、本国では一家を養うだけのお金になるのだ。

上海で驚いたのは「交通マナー」のひどさ。「悪さ」ではなく「ひどさ」である。
車、自転車、バイク、歩行者。全てがとんでも無くひどい、車が来るのに避けようともしない歩行者や、バイク。安全確認が取れれば赤信号でも右折可能な車が「安全確認無し」に平気で信号に侵入してくる。とにかく無法地帯なのだ(汗
やたらとクラクションをならしまくり、とんでも無いことになっている。
車線変更も「ウィンカー無し」にガンガン車線に入ってくる。車間距離が無くてもね。

聞くとやはり交通事故も非常に多いらしい。
「ゆずる」とか「まつ」とかというモラルに欠けていて、常に「自己中心」且つ非常に「短気」で「せっかち」。

そして、コピー品の多さ。逆に「コピー」という言葉が成立するのかどうか訳解らないほど。
これに関しては、自身で体感をしたわけではないが、現地のアテンダントをしてくれた子に聞いた話では「普通に町のスーパーで売っている「エビアン」が本物かどうかは微妙」だそうだ。もちろん、見た目は全く持って「エビアン」なんだそうだが、全くのコピー品だったりする事もあるらしい。
だから、本当に信用のおける店ではないと買い物が出来ない。
喉が渇いたからといって、その辺の小さな店で買うのは危険な賭どころか、本物に当たる確立の方が低いのだそうだ。

日本人的な感覚で言うと「とんでも無い」と思われるかも知れない。確かにそれはとんでも無い事なんだけど、先にも述べたように、そこまでしてでも生きようというパワーが上海にはみなぎっている。

そして俺が徳に感じたことは、この先5年10年後の上海の爆発的なパワー。

もし、国民の意識が、世界から注目され、それに見合ったモラルを持たなければと感じ始め、変化をして行ったら、この町はもの凄いパワーを爆発させることになると感じた。

底辺に、こういった「労働力」の力強さを持ち、その力が一つの方向に集約されてゆく。正に、日本の「高度経済成長」の時代の前触れの段階なのでは無かろうか。

資源、歴史、人、どれを取っても、莫大な物を持っている中国。今、そしてこれからの世代の子供達は、これだけ世界中から注目を集める大国と言うのを意識して成長する。そうすることで、この国は将来的に大きな変化を遂げてゆくだろう。

現時点での上海は様々な意味で底辺という意味で「ヤバイ」し、これからの変化を成し遂げられることが出来ればそれはそれで「ヤバイ」わけだ。

上海の中心部にここ10年で開発をされたエリアがあり、そこには日本の「森ビル」やシェラトン、グランドハイアットホテルなどが、最先端の技術でとてつもなくどでかいビルを建てている。
こういった外からの情報がどんどん流入し、外国人が多く流れ込むことによって、内部の変化が発生するのは当然のことで、疑うに余地無し。

そして、この「都市部」と呼ばれる場所の影響は、少し遅れてではあるが地方にも波及してゆく。今後10年〜30年で、地方もドンドン変化を起こして行き、その末には、とんでも無い国家が生まれるであろうと思われる。

今現時点のピンポイントだけを見ていたら、あまりにもひどいのは言うまでもないが、ホント世界が注目しているのも理解が出来る。

良い意味で、このパワーを日本人は見習うべきだ。よく「ぬるま湯」に浸かっていると評されるが、ホントそうだと思い知らされた旅だった。


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