いよいよ、大会当日。
長かった…….。濃かった…..。
全ては、この1日のためだけに、1年という時間をかけ、小さなかけらをつなぎ合わせてきた。
そして今日、その全てのピースがつなぎ合わされ、そして完成する。
結局昨夜行っていた作業は家を出るギリギリまで終わることはなかった…..。
すなわち…..。久々の「完徹(完全徹夜)」ですわ…..。
5時に起床し、6時に出発する予定だったのだが、5時45分までパソコンの前に座っていて、とりあえずシャワーを浴び(シャワー中もパソコンは休む間もなく)、書き出しを何とか終え(6時過ぎてました)、荷物を詰め込んで会場へ。
7時少し前に会場入り。
会場にある「大会本部」へ飛び込み、即パソコンを広げて書き出しを終えた映像データをDVDへ焼き込む段取り、DVDへ焼き込むのにもコンバートがかかるため、まずはパソコンに作業をさせる。
多少時間がかかるためにパソコンを放置し、会場の最終設営作業へ。
細かな、設営のチェックを行いつつ、DVDの焼き上がりを待ちつつ、色々指示出し。
もうここまでくると「眠い」とか「疲れた」とかそういった次元の世界ではない、完全に精神力に支配された「マシーン」と化すわけですよ(笑
無事に、DVDが完成し、舞台監督経由で映像送出する業者さんへ。
俺的な準備は完了!ギリギリ。ほんとギリギリまで粘っての完成です!
客入れが始まり、最初のコンテンツ「キッズストリートダンスコンテスト」の受付が始まり、その間、自分でも細かな記憶がないくらいバタバタと動き回り……。
いよいよ本番スタート。
午前中、俺は「キッズストリートダンスコンテスト」のジャッジをしなくてはならない。
舞台に登壇し、紹介をされた後に、いよいよコンテストがスタート。
今回初めて導入した、ジャッジシステムの出番!
キッズのエントリーは26チーム。
インフルエンザの関係で、数チームがエントリーできなかった様だった。
無事に午前中の審査を終え、昼からはB-Boyのバトル。
本番当日の舞台上の進行は全て「舞台監督」の手にゆだねられる。
ディレクターの俺は、それまでのプランを作り、舞台監督とねんみつに打ち合わせを繰り返し、台本を修正してゆく。
そのプランを、本番の舞台上で指揮官として遂行してゆく「舞台監督」。俺ですら、本番の進む舞台上の進行は舞台監督の許可が下りない限りは触れない。
本番当日、俺の役目は、舞台進行のチェック&トラブルの対応が主。
様々な場所から舞台の進行状況をチェックし、不具合の箇所を「舞台監督」にフィードバックし、進行をコントロールしてゆく。
そしていよいよ、大会も佳境を迎え、残すところ、2試合。
ここまで番狂わせな展開も有りつつ、佳境を迎えた。
通常(?)なら、この3位決定戦は、海外招待チームvs日本チームとなるのだが、今年の3位決定戦では異例の「日本人対決」が展開され、3位をもぎ取ったのは「Mortal Combat」。
そして、ここでプログラムには載っていない「サプライズゲスト」が登場。
3決が終わり、ステージは「暗転」そこに響く図太いビート…..。
Human Beat Boxer MaLの登場!
色々悩んだ結果、このパートに関しては、とにかくシンプルに、変な色づけを一際せず、MaLのビートだけに集中してもらおうと、大型ビジョンも、映し出されるのはMaLの姿のみ。
この時俺は、正面から打っているライトのフェーダーを触っていたのだが、ビジョンの映像を見て、落とした照明を上げるのを辞めた。
本当なら前からの明かりもフルで出す予定だったのだが、左右から打ち込まれている照明で、MaLの顔が良い感じでシルエットになっている。
変に前から打ち込むより、この迫力有る映像をキープする方が効果的だと判断したから。
MaLのビートは凄かった。観客を一瞬にして取り込んだもんね。
客席からは大きなうねり!
MaLのパフォーマンスが終わり、その余韻のまま感動の「決勝戦」へ。
昨年の覇者、韓国代表T.I.P Crew vs ILL Abilites。
この試合はほんと多くの人達の心に刻まれた試合だと思う。
障害を持ち、松葉杖をついている「ルカ」、片足を失い、片足だけで踊る「トミー」、見た目は普通なのだが、実は聴力を失っているダンサー「クジョー」、そこに、今アメリカで最も勢いのあるラナゲイツのメンバー「ウィッケッド」と「キッド デイブ」。
彼らのバトルは凄かった。技で勝負をかけるT.I.P CREW。当然、有利に思えるバトル。
実はそうではなかった。その答えがジャッジの判定に顕著に表れた。
5人のジャッジが割れた。
結果は2-1。5人なのに2-1。
5人の内2人は「ドロー」判定だったのだ。
いや〜凄かった。今回得点での評価も行ったのだが、ほんと「近差」で最終的にT.I.P Crewに軍配が上がった。
結果の発表と同時に、観客席からは「大きな落胆」の声が上がった。
海外での大会であれば「大きなブーイング」となるのであろう。
しかし、hoyu DDWGPの観客は、ダンスをしている人ばかりではない、一般の人達も多い。
そんな、観客席から「落胆の声」が聞こえてくると言うことは、それだけ、ILL Abilitesが優勢だと思った人が多かったと言うことなのだろう。
しかし「ジャッジ」の判断は絶対。
これは、誰がなんと言おうと、覆されることはない。
そしてファイナルを迎え、無事に、全てのスケジュールを終えることが出来た。
この1年という長い時間をかけて積み上げた「hoyu Dance Dynamite World Grand Prix 2009」が完成した瞬間だった。
会場の片付けを行い。俺は、大会本部で朽ち果てかけていた(笑
今年から、大会後に「アフターパーティー」をクラブで行うことになり、会場を終えた後、アフターパーティー会場へ移動。
さっきまでステージで熱いバトルを行っていた面々が、それぞれに混じり合いながら思い思いに踊り楽しんでいる。
疲れ切っているはずの俺も、音を浴びながら、フロアーで面々と一緒に踊り楽しんだ。
だめだね、どんなに疲れていても、音を浴びると、足がフロアーに向いちゃうわけさ(笑
とは言っても、流石に身体は悲鳴を上げている。昨夜も寝ていないし。
1時間と少しアフターの会場にいて、退散し帰宅。
家に戻って、シャワーを浴び。
一人で祝杯のビール。
俺さあ、なにげにこの瞬間が大好きなんだよね〜〜〜。
みんなでワイワイと祝杯を上げるのも良いんだけれど。
こうやって、椅子に座り、一人でビールを身体に流し込む。
ビールが身体に浸透してゆくのを感じながら、この1年間にあった大会に関する様々な出来事を思い出しながら浸ってゆくのって最高に気持ちいい瞬間。
これって、俺以外誰も味わうことの出来ない「最高の瞬間」なんだよね〜〜(笑
疲れ&寝不足のせいもあって、500mlのビールを空けただけで撃沈…..。
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